投資情報会社・フィスコが、株式市場の2月4日~2月8日の動きを振り返りつつ、2月12日~2月15日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は下落した。週間ベースは5週ぶりのマイナスとなった。週初4日の日経平均は米1月の雇用統計で非農業部門雇用者数の伸びが市場予想を大きく上回り、1ドル=109円台まで円安が進行したことを好感した。5日はさらに、為替市場で円安が1ドル=110円台まで進行しNYダウも続伸したことから日経平均は寄り付き直後に20981.23円(前日比97.46円高)まで上昇する場面があった。しかし、節目の21000円手前での戻り売り圧力は強く、業績下方修正を発表したパナソニック<6752>などの下げもあり、日経平均は4営業日ぶりに反落した。
6日は3日続伸となった米国株高を好感して反発となった。ただ、節目の21000円には届かず上値の重さが意識される展開のなか、ソニーが下落、取引時間中の決算発表で通期純利益を下方修正したトヨタ<7203>がマイナス転換し、日経平均の上げ幅は小幅にとどまった。また、同じく場中に伝わったトランプ米大統領による一般教書演説にサプライズはなく、東京市場には中立だった。
7日の日経平均は反落した。NYダウが4日ぶりに下落したことなどを受けて、東証1部銘柄の74%が値下がりするなど利益確定の売りが広がった。しかし、ムニューシン米財務長官などによって米中通商協議を再開することが伝わったほか、1月29日以来となる日銀の上場投資信託(ETF)買い入れもあり、日経平均の下値も限られた。このほか、前日に市場予想を上回る第3四半期決算と自社株買いを発表したソフトバンクG<9984>が後場にストップ高と急騰したことが話題となった。8日の日経平均は続落、大引けでは前日比418.11円安(2.01%安)と大発会に次ぐ今年2番目の下げ幅を見た。欧州委員会がユーロ圏成長見通しを下方修正したことで欧州株が全面安となったことに加えて、米中貿易摩擦の改善期待が後退しNYダウが大幅続落となったことを嫌気した。3連休を控えていることから買いも手控えられた。
今週の日経平均は調整ムードが強まる展開となりそうだ。日経平均は、下値サポートラインだった5日移動平均線を7日に割り込んできたことで、目先的には調整色が強まってきている。上昇に転じてきた20500円近辺を走る25日移動平均線も8日に割り込んできた。これを回復して新たなサポートラインとして機能するかどうかが焦点となっている。