2007年、つまり12年前に日本中を揺るがした「消えた年金」騒動だが、まだ取り戻すことができる。年金受給前の人は、59歳の時に年金機構から封書で届くねんきん定期便の中の「年金加入履歴」を調べたい。社会保険労務士の蒲島竜也氏が語る。
「職歴、勤務先の会社名と勤続期間や標準報酬(給料)などの一覧が記されています。加入履歴が連なっていく合間に〈空いている期間があります〉と書かれていたら要注意です」
その期間に自分が失業中だったか、会社に勤務していたり自営業だったかを思い出してみよう。失業中でも、国民年金に加入していたり、会社員だった妻の「扶養家族」になっていたのであれば、加入記録に漏れがあり、将来もらえる年金額に影響が出る“未支給予備軍”の可能性が高い。
「すでに年金を受給している人も、年金事務所に行けば本人の加入記録(被保険者記録照会回答票)を確認できます。年金機構の『ねんきんネット』に登録すれば、自宅のパソコンで記録もチェックできます」(同前)
“消えた年金記録”があれば、年金記録訂正請求書を提出し再裁定を申し立てる。