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私たちは「中年クライシス」をどう乗り越えればいいのか?

鎌田實医師(左)と斉藤瞳さん

鎌田實医師(左)と斉藤瞳さん

 かつて働き盛りとして、人生で最も充実した時期だといわれてきた「中年」だが、現在ではうつや不安に襲われる危機を迎えやすい年代であることがわかってきた。中年クライシス(ミッドライフ・クライシス)と呼ばれるその時期をどう乗り越えるか、諏訪中央病院名誉院長の鎌田實医師が考察する。

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 人生にはいくつかの危機が訪れる。30代後半から60代くらいにかけて起こるミッドライフ・クライシスは、比較的多くの人が経験する危機といっていい。中年の8割は経験するという臨床心理学者もいるほどだ。

 たとえば、出世コースから外れ、自分の能力の限界や体力の衰えなどを実感する40代。自分のやってきたことに対する失望や、今の状況に対する屈辱、周囲への嫉妬や羨望などがない交ぜになって、自分の生き方はこれでよかったのだろうかと思い悩んだりする。

 あるいは、子どもが成長し手を離れる、親の介護が始まる、親しい人を亡くす、といった出来事も、引き金になる。自分を取り巻く状況が変化するとともに、求められる自分の役割が変わってきたのに、それに対応できない。老いや死を意識し、ふと虚しさを感じたり、残された自分の人生の時間に焦りを感じたりする。

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