平成の30年間で、首都・東京近郊には六本木ヒルズ、東京スカイツリー、東京湾アクアラインなど、次々と新名所が完成しましたが、新たに生まれるものあれば、消え去るものもあるのが世の定め。ライターの金子則男氏が平成前期(1997~2001年)に東京近郊から消え去ったものを紹介します。
【河田町のフジテレビ本社:1997年】
今やお台場のイメージが完全に定着したフジテレビですが、以前は新宿区河田町(最寄り駅は都営新宿線の曙橋駅)に本社がありました。その跡地にはURによる高層住宅が完成しています。
【原宿の“ホコ天”:1998年】
車の通行を止める「歩行者天国」は全国で行われていますが、「ホコ天」と言えば原宿のこと。1980年前後の竹の子族、1990年前後のバンドブームなど、幾度のブームを生んだホコ天ですが、周辺道路の渋滞解消などを理由に廃止されました。ジュン・スカイ・ウォーカーズ、BAKU、KUSUKUSU、THE BOOM、THE FUSE、池田貴族がいたremoteなどがホコ天出身。廃止はもったいなかったような気もします。
【東急百貨店日本橋店:1999年】
江戸時代の白木屋より実に300年以上の歴史を重ねてきた東急百貨店の日本橋店。戦後に東急傘下に入りましたが、バブル崩壊後に売り上げ低迷が続き、今から20年前の1月31日、その長い歴史に幕を閉じました。その後には「コレド日本橋」が2004年にオープンしています。
【川崎球場:2000年】
施設自体はなくなっていないものの、すっかり様相が変わってしまったのがこの球場。かつてはロッテ・オリオンズの本拠地で、プロ野球ファンの間では伝説の「10.19」(1998年)が行われたのもこちらですが、1991年にチームは千葉へ移転し、2000年には球場も閉鎖となりました。その後、スタンドが撤去され、アメリカン・フットボールの球場に。現在は川崎富士見球技場という名前になっています。