ただのセレブタウンではない麻布十番の魅力
電車移動が基本の都内では「駅から近いこと」が大事ですが、駅から離れているのに栄えている街が存在するのが、東京の面白いところ。タクシーを使うことを厭わない芸能人や業界人が混雑や人目を避けて集い、それが徐々に話題に上がるようになり、やがて一般人も集うようになるという構図です。かつての麻布十番はその典型で、今で言うと西麻布や三宿などがそれにあたります。
都内には“高級住宅街”と呼ばれる地域がいくつもありますが、麻布十番はセレブ感と下町感のミックス加減が絶妙です。鉄道開通前の麻布十番には“港区の下町”といった趣きがありました。今でもその名残を留めていますが、麻布十番の商店街には昔ながらのお店が健在で、どこかホッとした気分にさせられます。夏に行われる「納涼まつり」は毎年多くの人でにぎわい、普段着の芸能人が歩いている姿を見かけることも珍しくありません。
飲食店はあらゆるジャンルのお店が揃っていて各々のレベルも高く、概して雰囲気が良いので、グルメの方はよりどりみどり。日用品などが揃うお店やスーパーもあるので、日々の生活にも不自由しません。
家賃相場はワンルーム・1K・1DKで12.68万円(ライフルホームズ調べ。2月20日時点)と、都内でも限りなく最高クラス。50平米前後の中古マンションで1億円以上する物件がゴロゴロあり、そこに下町感は一切ありません。ただ、街の人気は高値安定なので、将来の売却まで見据えて物件を購入してしまうというのは1つの手。「麻布十番に住んでいる」というブランド力だけでもかなりのものですので、お金に余裕がある方は住むことを検討してみても良い街だと思います。