萩野さんのようにいくつもの医療保険に入り、万が一の疾病リスクに備えようとする人は多い。医療保険の契約件数は今や3677万件にのぼり、生命保険文化センターによると、医療保険に加入する世帯は8割を超え、がん保険やがん特約の加入率も6割を超える。もしもの時に、公的医療保険制度だけでは「まかなえない」と考える人も半数以上と多く、医療保険・がん保険に加入する人は年々増えるばかりだ(グラフ参照)。
だが、今一度立ち止まって考えてほしい。萩野さんのケースでは、毎月1.5万円を15年間、すでに総額270万円もの保険料を支払っている。現在50才の夫が80才まで生きた場合、総額は810万円にものぼる計算だ。
それほどの高額な買い物だと最初からわかっていたら、安易にいくつも保険に加入しただろうか。安心をお金で買うという発想は理解できるが、一方で毎月の金額だけでなく、長期でいくら払うのかという視点をもって、じっくりと吟味すべきだろう。
※女性セブン2019年3月7日号