また、親が「葬式代くらいは残して逝きたい」と考えている場合も、子供が知っておきたい制度がある。亡くなった時に蓄えが残っていても、本人が死亡したとわかった場合、金融機関は口座を凍結する。親が“葬式のために残したお金”に、子供が手を付けられなくなるのだ。
それを避けるために「葬儀信託」という制度がある。親が生前にどんな葬儀を行なうか葬儀社と決めておき、葬儀代を「葬儀信託」として信託会社に預けておく。葬儀が終わると信託口座から費用が葬儀社に支払われ、子供は自分の家計から出費せずに済む。
諸制度・手続きは複雑で多岐にわたる。それゆえ、子供が老親をうまくサポートすることで、家族の利益が守られるのだ。
※週刊ポスト2019年3月1日号