日立物流：安定的な業績拡大は魅力

企業概要

　日立物流は陸運、海運、資材調達、倉庫管理や通関などの物流サービスを提供する3PL（サードパーティロジスティクス、企業物流の一括請負）の首位企業です。1980年台から3PL事業に取り組んできたパイオニアです。

　3PL事業以外に重量機工事業、フォワーディング事業を手がけます。

　重量機工事業とは、たとえば国内製造企業が海外に進出する際、工場設備の輸出や現地での据え付け、見地での物流体制の構築が必要ですが、同社はそれをワンストップで手がけます。

　フォワーディング事業とは国際貨物の輸送事業のことです。

注目ポイント

　もともとは日立製作所の産業機械・精密機器などの重量機工事業や物流事業を手がけていましたが、積極的にグループ外の顧客を開拓し、今では日立グループ以外の売上が大半です。もともと製造業の一部門から出発しているために、製造業の視点でキメの細かい物流を手がけている点に強みがあります。

　3PL事業は一旦手がけると、永続的に業務を手がけていけるストックビジネスです。そして、今日まで築いてきた実績が、物流事業をアウトソーシングして、コア事業に注力したい企業に同社を選択させることにつながって行くでしょう。

　これによって堅調な業績拡大が継続することが予想されます。これまでもそうであったように、顧客企業の物流子会社のM＆Aで、同社は業績を拡大し続けて行くでしょう。

【PROFILE】戸松信博（とまつ・のぶひろ）：1973年生まれ。グローバルリンクアドバイザーズ代表。鋭い市場分析と自ら現地訪問を頻繁に繰り返す銘柄分析スタイルが口コミで広がり、メルマガ購読者数は3万人以上に達する。『日本人が知らなかった海外投資　米国株』他、著書多数。最新の注目銘柄、相場見通しはメルマガ「日本株通信」にて配信中。