「人生100年時代」が訪れようとしている。ロンドン・ビジネススクール教授のリンダ・グラットン氏の著書『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)――100年時代の人生戦略』が世界的に注目を集め、グラットン氏自身、日本の首相官邸で開かれた「人生100年時代構想会議」に委員として出席。人生100年時代を見据えた政策が進もうとしている。では、「人生100年時代」でどう働けばよいのか。ファイナンシャル・プランナーの藤川太氏(家計の見直し相談センター代表)に聞いた。
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20年ほど前までは高校や大学を卒業する20歳前後から60歳までの40年働く時代でしたが、現在は65歳までの45年働く時代となっています。それが平均寿命が延びたことによって、リンダ・グラットン氏が提唱するように「人生100年時代」となり、将来的には20歳前後から70歳以上まで「50年以上働く時代」が訪れようとしています。
そうなると、単に働く時期が延びるだけでなく、これまでとはまったく違った人生設計や働き方が必要になってくるでしょう。なによりますます競争が激化するなか、会社そのものが50年以上続く保証はどこにもありません。たとえ会社名が変わらなくても、会社の業態が変わったり、会社内で職種が変わったりすることも考えられます。かつてのように「定年までひとつの会社に勤めあげればよい」という考え方はもはや“幻想”と思ったほうがいいでしょう。
そのような変化にただ抗おうとしても会社、あるいは仕事がなくなってしまいかねません。時代の変化に立ち向かうのではなく、もっとしなやかに、時代の変化に対応していかないと安定して働くことはできないと思います。むしろ安定しようとすればするほど不安定になるかもしれません。