お店なら、「手作りハンバーグの店」というように“手作り”を売りにしていたり、目の前で職人が握る寿司などもある。しかしこうしたプロによる“手作り”については、AさんもBさんも口をそろえて、「お金を払うものは別」だと言う。
いったい、彼らの心理はどういうものなのだろうか。大月短期大学経済科兼任講師で社会心理学を専門とする川島真奈美さんが解説する。
「現代社会では、他人と一定の距離感を取るのが当たり前になっているので、他人をうまく許容できなくなっている、という側面があります。少し極端かもしれませんが、『他人が汚くてどこか信用できない』と思ってしまう心理状態になっているのでしょう。こうした手作りへの嫌悪感は、日本社会がいたる所で“潔癖”になっている一例と言えるかもしれません」
一方で、プロや市販品の手作りには、「清潔」「安全」だと純粋に思い込める信頼感があるようだ。まあ、“バカッター”関連のニュースを見ていると、お店で売られているからといって「清潔」かどうかも微妙になってきている昨今ではあるが……。