老後資産を考えるとき、その柱になるのは「年金」だろう。だが、年金生活に入る前にもらい忘れてはならない給付金がある。リタイア時の雇用保険の基本手当(失業保険)だ。
定年退職後に離職票を持ってハローワークで申請すると、離職前賃金の日額の最高8割(上限は1日約7000円)が、最長150日分まで支給される。上限いっぱいなら総額105万円だ。
もちろん、失業保険は「働く意思のある人」が支給の大前提。働かずに年金生活を選ぶ人は対象外だが、この失業保険はスキルアップのためにパソコンの教育訓練を受けたり、介護福祉士、情報処理技術者、調理師免許などの資格を取るために専門学校で学んでいる期間も受給できる。
また、資格取得のために教育訓練に通った場合、雇用保険から授業料などの経費の最大70%が支払われる「教育訓練給付金」といった制度もある。
こうしたお金を受給したくても、ただ待っているだけでは役所は教えてくれない。申請手続きが欠かせないのだ。
※週刊ポスト2019年3月8日号