住んでみたい街の理想と現実には、得てして大きな差があるものだ。憧れのあの街は果たして本当に素敵な街なのか? まったくノーマークだけど、実は住みやすい街は? 今回は「海浜幕張」(千葉市美浜区)について、ライターの金子則男氏が解説する。
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東京という街の大きさが感じられるのが、「副都心」や「新都心」という単語。副都心は都内の新宿、渋谷、池袋の3大ターミナル駅のほか計7か所、「新都心」は東京の隣県にある横浜みなとみらい地区、さいたま新都心、幕張新都心の3か所で、東京圏の繁栄ぶりが分かります。今回取り上げる海浜幕張駅は、その中の1つ「幕張新都心」の中心となる駅。東京の一極集中を解消するべく作られたオフィス街ですが、なぜ住む街としても人気なのでしょうか?
鉄道はJR京葉線のみですが、武蔵野線への直通列車が乗り入れおり、西船橋→東西線というルートで都心に向かうこともできます。都心まではおよそ30kmありますが、京葉線の快速で東京駅まで30分程度なので、楽勝で通勤圏内。ただ、同じく住む街として人気の新浦安(千葉県浦安市)もそうなのですが、京葉線は風に弱く、年に数回は強風で電車が止まります。そうなるとバスで京成やJR総武線に迂回することになりますが、その混雑は猛烈。鉄道の便に関しては不満を抱えることになりそうです。
道路状況は“注釈付き”ですが良好です。計画的に作られた街なので、道路は広々としていますし、京葉道路、東関東自動車道と、高速道路も2本通っていて、車移動は快適。千葉方面から幕張~船橋にかけ、ロードサイドの大型店舗が大充実しているので、車は必須アイテムでしょう。ただし、幕張メッセで大きなイベントがあったり、週末に発生する駐車場渋滞に巻き込まれたりすると、まったく動けなくなることもあり、これは要注意。基本的に街が平坦なので、自転車を併用するのが賢いやり方でしょう。