投資情報会社・フィスコが、株式市場の2月25日~3月1日の動きを振り返りつつ、3月4日~3月8日の相場見通しを解説する。
* * *
先週の日経平均は上昇した。週間ベースでは3週連続高で、2月月間としては2カ月連続の上昇となった。週初2月25日の日経平均は反発のスタートだった。「米中首脳が3月中に会談」など米中貿易協議の進展が報じられ、前週末のNYダウが約3カ月半ぶりに26000ドル台を回復したことを好感した。トランプ米大統領が24日、対中関税の引き上げ延期を表明したことも好感されたが、上値では利益確定の売りも出て買い一巡後は伸び悩んだ。NYダウの続伸を受けた26日の日経平均は反落した。一時1ドル=111円台まで下落した円相場を受けて堅調にスタートしたものの、その後の円安一服に加えて、後場に「インド空軍がパキスタンを空爆」とのニュースが嫌気されて下落した。
27日は内需株中心に押し目買いが入り、アジア株も堅調に推移したことから日経平均は前日比107.12円高と反発した。26日のNYダウは3日ぶりに反落だったものの、パウエルFRB議長の議会証言に新規性はなく市場には中立に働いた。また、大引け後の東証株価指数(TOPIX)のリバランスを控えて武田薬品工業<4502>が売買代金トップで2%高となったことも日経平均の反発につながった。28日の日経平均は終日マイナスゾーンでの推移となった。米通商代表部のライトハイザー代表が米中貿易協議の楽観論をけん制する発言が嫌気され、NYダウが続落したことで東京市場では売りが先行した。また、中国の経済指標が低調な内容となったことや時間外取引での米株式先物安を受け、大引けにかけて下げ幅を拡大した。
28日のNYダウは米朝首脳会談で北朝鮮の非核化合意に至らなかったことなどを嫌気して3日続落となった。しかし、米10-12月期GDP速報値が予想を上振れ、米国景気の堅調さを好感してドルが買われ1ドル=111円台前半への円安となり3月1日の日経平均は反発した。時間外の米株価指数先物が堅調に推移したことも追い風に働き、日経平均は21600円台で大引けた。
今週の日経平均は21600円超えでの上値の重さを意識しつつも、底堅い展開を継続しそうだ。米中貿易摩擦は緩和の方向に傾いているものの、昨年12月安値から2カ月間で4500ドル強の上げ幅を見たNYダウに上げ一服感が見え始めている。インドとパキスタン間の地政学リスク、トランプ米大統領を巡るロシア疑惑の再燃といった新たな懸念材料も浮上している。