「私は、思ったことをズバズバ言うのが正しいだけでなく、面白がられているものと思っていましたが、友人には、『マツコや有吉の毒舌は、ズバッと物事の本質を突いているけど、あなたの毒舌は、“不味い”とか“嫌い”とか“ウザい”とか、個人的な感想を言っているだけ。相手の理解や周りのフォローがないと成立しない。そんなのは周囲に甘えているだけ』と言われました。さらに『自分が雑な毒を吐いて気持ちよくなる代わりに、誰かを貶めている。それはただのイジメ』とも言われました」
確かに毒舌と悪口は紙一重。それがどちらに転ぶかは、お互いの関係も介在してくるが、Wさんが毒舌を封印することを決めたのは、友人が放った“とどめの一撃”だった。
「自分のキャラを否定され、腹を立てた私が色々と言い返すと、友人は呆れたように『他人に毒を吐く人って、自分が毒を吐かれるとものすごく怒るんだよね』と言いました。確かにその通りです。さらに、『周りがWの毒舌を聞いて笑っているのは、話す内容が面白くて笑っているんじゃなくて、“いい大人がそんなこと言うんだ”という意味で嘲笑しているだけ』と畳み掛けられ、もう返す言葉がありませんでした……」
かくして毒舌を封印したWさん。ただ、人生の大半を毒舌として生きてきたため、それを封印するストレスは大きく、「何でみんな、思ったことを言わないで辛くないんだろう」というのが、もっぱらの悩みになっているそうだ。