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メディパルホールディングス:利益率の改善に期待

メディパルホールディングス(7549):市場平均予想(単位:百万円)

企業概要

 傘下に医薬品卸首位級のメディセオ、日用品雑貨卸最大手のPALTAC(8283)を持つ日本でも最大級の卸企業です。

 明治創業の歴史ある企業で、大正時代には医薬品卸の三星堂を設立。その後も昭和22年に東京医薬品、昭和24年にクラヤ薬品を設立し、2000年にこの3社を合併してクラヤ三星堂を発足。このクラヤ三星堂が2009年10月に社名変更して医薬品卸首位級の子会社、メディセオが誕生しています。

 その後、別領域の卸に進出ということで化粧品・日用品・一般医薬品卸売り事業で最大手の大阪のPALTAC(8283)を2005年10月に株式交換で子会社として経営統合し、メディセオ・パルタックホールディングスが誕生しました(2009年にメディパルホールディングスという現在の社名に変更)。

 同社の基本方針は【「医療と健康、美」の流通で社会に貢献する新しい卸の形をめざし、収益基盤の拡大と持続的な成長を実現します。】というものです。
 

注目ポイント

 医薬品の卸業界は同社とアルフレッサ(2784)を含む4大グループに集約されています。一時は同社がアルフレッサ(2784)と合併する話しも進行していたのですが、公正取引委員会の審査が長引き、結局、白紙になった経緯があります。

 逆に言えば、ここからさらに規模が拡大すると寡占状態になってしまうほどシェアがあるということです。

 同社は2009年までは規模の拡大を図ってきたのですが、アルフレッサ(2784)との合併の白紙化をキッカケとして、規模拡大から経営の効率化に経営の方針を転換します。

 こうして同社は業界に先駆けていち早く中央物流センターでの配送の仕組みを作ります。医薬分業で調剤薬局が増え、販売先が増えたのですが、営業マンが訪問して受注をする仕組みで対応していました。しかし、販売先が増えても1店、1店の発注量は小さく、さらに多頻度で営業は管理が煩雑で効率性も悪いものでした。

 これを同社は最新鋭の物流センターを作り、顧客側にオンラインで発注して、物流センターからの定時配送する仕組みを作りあげ、さらにその投資を続けて経営の効率化を図っているところです。同社はこの物流センターをALC(Area Logistics Center)とし、有事の際も止まらない万全の設備と、欠品やミスのない確実な納品を可能にする高度なシステムを搭載。流通プロセスの全体最適を実現する最新鋭の高機能物流センターです。

 2017年3月期~2019年3月期で設備投資額は合計で850億円。これでメディセオ事業のALC投資はほぼ完了予定とのことですので、今後も徐々に利益率は改善していくことが期待出来ます。

 実際の所、2014年3月期と2015年3月期の営業利益率は1.1~1.2%でしたが、ここ数年は1.5%台に入っています。

 この揺るぎないシェアと利益率の改善が同社の魅力と思います。

【PROFILE】戸松信博(とまつ・のぶひろ):1973年生まれ。グローバルリンクアドバイザーズ代表。鋭い市場分析と自ら現地訪問を頻繁に繰り返す銘柄分析スタイルが口コミで広がり、メルマガ購読者数は3万人以上に達する。『日本人が知らなかった海外投資 米国株』他、著書多数。最新の注目銘柄、相場見通しはメルマガ「日本株通信」にて配信中。

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