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年金の未払い、男性より女性に多いのはなぜか

結婚で姓が変わった時は要注意

 空白期間が生じる原因は大きく2つある。1つは、最初に発行された年金番号が引き継がれず、別の番号が発行されてしまうケースだ。そうなると、「同じ人なのに、年金番号が2つ以上ある」ということになり、払い漏れが発生しやすい。社会保険労務士の蒲島竜也さんが話す。

「1997年に基礎年金番号制度ができるまでは、厚生年金と国民年金は別の番号で管理されていました。そのため、雇用形態が変わると同一人物が複数の番号を持つことも多く、管理ミスが起こる要因となりました」

 夫と2人暮らしで年金生活をする70才主婦の花田さんは、まさにこのケース。

「これまで年金のことは夫に任せきりでした。『ねんきん定期便』が届いても、ほったらかしで。ある時、友人に『それって、本当に大丈夫?』と言われました。聞くと、友人は結婚前に加入していた分の未払い年金を取り戻したうえ、毎月の年金額も増やせたそうです。もう何十年も前の話ですが、私も短い期間、OLをしていたことがありました。もしやと思い年金事務所に確認すると、案の上、記録が抜けていた。すぐに申請したら、次の年金の振り込みと一緒に40万円ほど戻ってきました。死ぬ前に気づいてよかったです(笑い)」

 結婚後に加入した第3号分の年金は受給できていたけれど、結婚前の厚生年金は別の番号だったので、役所の記録上では同じ人の年金記録になっておらず、受け取れるはずの厚生年金がすっかり忘れ去られていたのだ。

 通常、年金請求の時効は受給権利が発生してから5年だったが、2007年に「年金時効特例法」が施行され、時効が停止された。そのおかげで花田さんは、数十年経っても未払いの年金を受け取れた。

 結婚で姓が変わった時や、転勤などで住所が変わった時も要注意だ。

「最近は離婚する夫婦も増えてきました。男性と違い、女性は結婚、離婚、再婚のたびに姓が変わることが多いので、申請ミスや、役所の帳簿上での記録ミスが起きやすい。昔は、年金の氏名や住所変更などは手書きで届け出手続きしていたため、名前を間違えるなど記入ミスをして提出した場合、そのまま受理されることもザラにありました」(北村さん)

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