投資情報会社・フィスコが、株式市場の3月11日~3月15日の動きを振り返りつつ、3月18日~3月22日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は上昇に転じた。週明け11日の日経平均は5営業日ぶりの反発で始まった。前週末8日のNYダウが2月雇用統計を嫌気して5日続落したことに加え、米国経済の減速懸念からマイナスとなる場面もあったが、前週に日経平均は値幅で796.48円下げており、自律反発狙いの買いも流入し、その後のアジア株の上昇が支えとなった。個別では、日経平均への新規採用が発表されたオムロン<6645>は買い気配で推移してストップ高比例配分となった。
12日の日経平均は大幅続伸となった。前日の米国市場で1月小売売上高が市場予想を上振れ、現在の政策金利が適切との認識をパウエルFRB(連邦準備理事会)議長がメディアで発言したことを好感して6日ぶりに反発したことから買いが先行した。アジア市場も堅調となって後場に入ると一段高に向いた。
13日の東京市場は一転して売りが先行して日経平均は3日ぶりに反落した。航空機メーカーのボーイングの旅客機事故の影響などからNYダウが反落したほか、英議会の欧州連合(EU)離脱案否決や1月機械受注の悪化などの懸念材料が影響した。後場は前日比304.70円安まで下げる場面があったものの、8日以来となる日銀のETF(上場投資信託)買い入れもあり下げ渋った。
14日はNYダウの反発と英国がEU(欧州連合)との合意なく離脱することに反対する動議を賛成多数で可決したことを好感して買いが先行してはじまったものの、中国の2月鉱工業生産・小売売上高発表後に上海総合指数が下げ幅を広げると、日経平均も下げに転じた。
15日の日経平均は3日ぶりに反発して終日プラスゾーンで推移した。中国の2月鉱工業生産の予想下振れで、世界経済への減速懸念が再意識され、貿易摩擦を巡る米中首脳会談が4月以降に延期、英議会でEU離脱期限延長案が可決されたことで模様眺めムードが広がり、14日のNYダウは小幅な続伸にとどまった。しかし、為替相場がやや円安方向に振れ、景気刺激策に期待した中国株の上昇が手掛かりとなって主力半導体関連や中国関連株の上昇が寄与して日経平均は一時21500円台を回復したものの、北朝鮮が米国との非核化交渉の中断を検討という報道から為替が円高に振れて大引けにかけては伸び悩んだ。