新入社員が社会人の仲間入りするこの時期、最初の洗礼ともいえるのが歓迎会。だが、歓迎の名前通りに“気楽”とはいかないケースも多いようだ。メーカーに勤務する20代男性・Aさんは、その存在に疑問を持つ。
「数年前、私が新入社員として参加した時は、社員が楽しんでいるだけで、歓迎会という名の単なる飲み会でした。僕自身、いい思い出はないので、4月に入ってくる後輩にもそんな思いはさせたくないです。入社後しばらく経ってから開催するか、歓迎会を廃止するべきだと思います」
その歓迎会では何が起こっていたのか。「本当ひどすぎました」とため息交じりにAさんが当時を振り返る。
「場所のセッティングも新入社員が担当。歓迎会が始まると、『面白いあいさつしてよ』『一発芸して』とか要求してくるのも面倒くさい。それがひと段落すると、知らない社員名や取引先の担当者名が飛び交う身内ネタばかりになって、放置に近い状態に戸惑いました。“歓迎会してやってる感”が伝わってくるほどで、それならお金を払ってでも欠席したいくらいです。歓迎会ではなくて、『先輩社員接待会』の間違いでは?」(Aさん)
印刷業界で働く20代女性・Bさんも、2年前に開かれた自身の歓迎会への怒りがいまだに収まらない。
「顔合わせという理由で、女子の新入社員だけ男性社員にお酌させられました。時代錯誤な気もします。そのとき、ビール瓶のラベル上にしないで注いだからと、もおのすごく怒られて不快でした。でも、そんなことよりもやっぱり、根掘り葉掘りプライベートのことを聞かれるのがイヤでしたね。おじさん上司から、『彼氏いるの?』『休みの日は何してるの?』『この中なら誰がタイプ?』とかいろいろと聞かれてイライラ。マナー講習とパワハラとセクハラを受けた、散々な思い出しかないです」