ただ、注意点もある。社会労務士で元年金事務所副所長の木村昇さんが話す。
「加給年金は、妻が働いていないという前提でできた制度のため、受給するには夫の厚生年金の加入期間が『20年以上』、妻は『20年未満』であることが条件です。これは振替加算も同様です」
こんなにお得な加給年金と振替加算だが、申請しない限りもらえない。また、すでに加給年金をもらっている場合は、妻が65才に達した時点で自動で振替加算に切り替わるため、手続きは不要。ただ、妻が夫よりも先に年金を受け取っている場合は別だ。
「年上妻がすでに年金をもらっていると、夫が65才に達した時点で、振替加算をもらう手続きをしないと受給できません。多くの人が、これを忘れてしまいがちです」(社会保険労務士の蒲島竜也さん)
自分が今、加給年金や振替加算をもらっているかどうかは、年金額が確定した際などに届く「年金額改定通知書」で確認可能。「加給年金額」または「振替加算額」が記載されているかをチェックしよう。もし、まだ受け取っていなければ、年金事務所で、加給年金は「老齢厚生年金・退職共済年金 加給年金額加算開始事由該当届」、振替加算は「老齢基礎年金額加算開始事由該当届」を提出すれば完了だ。
※女性セブン2019年3月28日・4月4日号