「普段からしっかり整理整頓ができていて、おかげで通帳類や宝飾品の場所は日頃からシェアできていました。あとは、水やトイレットペーパーなどの日用品を大量にストックしてくれていたことも助かった。葬儀の手配でバタバタしたり、心労が重なると、日常の些細なことには手が回らなくなってしまうので」(村田さん)
夫への深い愛情を抱いていた生田さんだが、ひとつだけ、どうしても譲れない意外な信念を持っていた。それは「母親と同じ墓に入る」ことだった。
「2人は決して良好といえる仲ではありませんでした。義母は、妻を銀座のクラブに売り飛ばそうとしたり、妻が女優としてブレークした後も、妻子ある男性と心中未遂事件を起こし、それによって妻は仕事をすべてキャンセルする羽目にもなりました。しかし、散々振り回されたにもかかわらず、妻は母親を見捨てることができなかった。義母が亡くなるまで30年間、毎月の仕送りを欠かしませんでした」(村田さん)
生前、生田さんとともに母親が眠る福岡の墓にもお参りをしたという。
「母親の墓前で、『この墓に入りたい』と言った時の妻の表情から、本当に彼女が母親を愛していることを感じました。私は長男で、村田家の墓もありますが、妻の遺志を尊重してあげたくて『わかったよ、そうするよ』と返事しました。まさか本当に彼女が先に逝ってしまうとは思いませんでしたが…」(村田さん)
現在、生田さんは母親の墓で眠る。村田さんは自らの命が尽きたら、この墓に入って、愛する妻と、妻が愛する母と3人で永眠するつもりだという。
※女性セブン2019年3月28日・4月4日号