平成も残りわずか。新天皇の即位、改元に向けたカウントダウンが始まっている。「平成最後の~」を冠した報道を目にする機会も増えた。
4月1日に新元号が発表されるとともに、印刷物や社内システムなどへの急速な対応が必要となる企業も多いだろう。そんななか、特需に沸いているのが、テレビ業界だという。ある広告代理店関係者は語る。
「各企業が新元号とともにテレビ、新聞、インターネットをはじめとする広告出稿を予定しているためです。平成という時代と自社の歩みを振り返るものや、新しい時代への明るい期待に満ちた内容のCMを、多くの企業が予定しています。通常の広告宣伝予算とは別で用意されているため、広告業界では『新元号予算』と呼ばれ、テレビ局や広告代理店各社がその予算の取り合いを行っています」(以下「」内同)
広告を出す企業は、自社が平成の中で行ってきた取り組みを紹介することで、時代を乗り越えてきた、変革してきたというようなイメージを植え付けたい。同時に、いままで展開してきたテレビCMシリーズや登場した歴代の有名人やキャラクターを再度紹介するなどして、自社のことを想起してもらいたい。その格好のきっかけとなっているのが、今回の「新元号」なのだという。
「半年ほど前から準備を開始している企業がほとんどですが、天皇が『お気持ち』を公表された2017年12月頃から企画を開始しているところもあるようです。平成を振り返るCMはともかく、新元号がらみのものは4月1日に正式発表された段階で実際の制作が始まるものも多いようで、広告代理店、制作会社勤務の社員はしばらく休めない、忙しい日々が続きそうです」