そんなサイゼリヤとは対照的に、キャッシュレス化の流れはここ数年、外食業界で活発化している。マクドナルドは2017年11月に電子マネーとクレジットカード決済を開始。最近では2018年12月に吉野家がQR決済コード決済「Origami Pay」を導入、松屋も今年2月に「PayPay」「LINE Pay」「楽天ペイ」などに対応した。前出・Aさんは話す。
「財布は念のため持っているだけで、ほとんど出さずに、スマホだけでほぼ生活できるようになりました。さまざまな決済方式にクレジットカードを紐づかせているので、ポイントもたまってお得です」
サイゼリヤは、基本的に「全席禁煙」で「電源・Wi-Fiなし」。それも、一部ビジネスパーソンには、足が遠のく要因になっているという。メーカー営業マン・Bさん(27歳)は、こう話す。
「外回りが多い営業職の私にとっては、サイゼリヤは貴重な喫煙スペースでしたが、全席禁煙化の取り組みがスタートしてからあまり行かなくなりましたね。電源が自由に使える店舗も少ないですし、一服しながら出先で資料を修正したりするということができないのはやっぱり痛いですね。かわりに、カフェで仕事をするようになりました」
一方で、サイゼリヤに頻繁に利用しているというのは、IT企業の契約社員として働くCさん(25歳)だ。「サイゼリヤはオタクにとって最適解」だと語る。
「昔から、サイゼにはオタク仲間で集まることが多いです。お金はグッズやライブ、交通費や宿泊費といった遠征費用などで相当かかるので、飲食代はとにかく安く済ませたい。さらにサイゼリヤのようなファミレスならテーブルも広くてダベりやすいし、フードもアルコールもスイーツも低価格で楽しめる。オタクのサイゼ飲みは“鉄板”です」