昨年10月、東京証券取引所を傘下に持つ日本取引所グループが有識者懇談会を設置。現在の市場区分を見直す議論に着手し、「3月末を目途に答申がまとまる」とみられている。現在、東証には「市場第一部」「市場第二部」、新興市場の「ジャスダック」「マザーズ」の4市場があり、企業価値を示す時価総額(株価×発行済み株式数)の基準は一部で250億円以上、二部で20億円以上と定められている。
目下、議論されている市場再編は、最上位を「プレミアム市場」、それに続く「スタンダード市場」、そして新興企業向けの「エントリー市場」の3つに区分し直すものだという報道が相次いでいる。上位市場への昇格基準も厳格化され、最上位市場への上場企業数は厳しく絞り込まれる方針だという。
「プレミアム市場」に入れるかで、企業の株価は大きな影響を受けると考えられる。
東証一部の全銘柄を対象とするTOPIX(東証株価指数)連動型ファンドを購入する機関投資家は多く、150兆円規模の年金積立金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)や日銀も有力な買い手だ。市場再編に伴い現行の指数がどのような枠組みに変更されるかは不明だが、「プレミアム市場に留まれば、外国人投資家を含むファンドがさらに買い増して株価上昇も期待できるでしょう。一方で、除外された企業の株は大きな売りが出ることが想像に難くない」(マーケット・アナリストの平野憲一氏)という。