住まい・不動産

家の「借地権」とは何か? 将来的に土地を買い上げることは可能か

 借地権は相続できますが、特約がなければ、売買や贈与はできません。建物を売ると借地権も付随して売られるので、地主の承諾が必要です。こうした制約に関し、地主と協議できないときは、一定の承諾料の支払いを条件に裁判所の許可を得て、増改築などをしたり、借地権譲渡もできます。

 また、地代の額が地価や公租公課、さらに経済情勢の変動により不相当になったときは、その増減を互いに請求でき、合意できなければ、裁判所が決定します。しかし、借地権者は土地を将来的に買い上げる権利はありません。

 借地権付建物を買うときには、売主が地主の譲渡承諾を得ることが大前提ですが、買主は売主から現行の借地契約の借地権者の地位を引き継ぐので、契約の内容を慎重に確認することが大切です。

【弁護士プロフィール】竹下正己(たけした・まさみ):1946年、大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年、弁護士登録。

※週刊ポスト2019年4月5日号

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