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棚上げされている「北朝鮮問題」を金融市場はどう見ているのか

2月の米朝首脳会談の様子を報じたベトナムの新聞(Getty Images)

 2月末にベトナム・ハノイで行われた米朝首脳会談が不調に終わったことは記憶に新しい。解決の方向に進むかと思われた北朝鮮問題が、事実上、棚上げ状態(膠着状態)になっているわけだが、金融市場はどのようなスタンスで捉えているのだろうか。

 そもそも北朝鮮は、本当の意味での「非核化」に応じるつもりはなかったと推察される。北朝鮮にしてみれば、経済制裁が苦しく、どうにもならないところまで追い詰められている。追い詰められているその様子は、日本に北朝鮮籍の漁船がたどり着くなどのニュースで、垣間見ることができる。

 北朝鮮は経済制裁を取っ払うための方便として、「非核化」をテーブルに載せたのだろう。つまり、経済制裁の鍵を握るのは米国であり、その米国と直接交渉をするためには「非核化」というカードしかない、と考えたわけだ。

 これまでの米国大統領は、北朝鮮を直接的には相手にすることはなかった。ところがトランプ大統領は、首脳会談を設けた。それも既に2回も。

 北朝鮮にしてみれば、米国との直接交渉は是非とも継続させたいところだ。だから、トランプ大統領が次の選挙で再選されることを、北朝鮮は願っているだろう。

 一方、トランプ大統領にしてみれば、大統領に再選されるために北朝鮮との外交はポイントを稼ぐための重要なカードとなり得る。米朝の思惑は、この点では一致している。だから、首脳会談を設けるに至ったわけだ。

 ただし、米国にしてみれば、北朝鮮が本当の意味での「非核化」をしなければ、北朝鮮問題が解決しないと考えている。

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