4月から新年度相場のスタートとなるが、季節毎に相場はどのように動く傾向があるのだろうか。1年間の相場のアノマリーについて、カリスマ主婦トレーダーとして知られる池辺雪子さんが解説する。
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今回は年間の相場のアノマリーについて、買い場となりやすいポイントをご説明致します。
まず3月というのは多くの日本企業の本決算月となります。つまり、一旦持っているポジションを利益確定や損失確定をして、リスクアセットのポジションを外し、本決算に備える動きが出てきます。
そのため3月は「彼岸天井、彼岸底」という言葉もあるように、1年の大きな動きの中でも、日本株が下落しやすい時期となっています。
次に覚えておくべきことは、企業運用担当者や機関投資家の動き方です。4月から新年度になり、新たな方針をもって各社が動き始めることになります。相場への影響を考えると、当然ながら、一旦外したポジションを再度作り直しに行くという動きも想像できます。
とはいえ、4月1日からいきなりポジションを作ってくるわけではありません。企業にお勤めの方にとってはわかりやすいかもしれませんが、基本的には運用に関しても上長の決裁印をもらってから動き始めます。
まず運用担当者が運用銘柄や手法を提案、そして直属の上長の決裁をもらい、さらに運用部長等、管理職をマネージメントしているクラスの決裁までもらった段階で、初めて新年度の運用がスタートになります。
そのため、早くても4月の最初10日間程度は、大きなポジションを作れないと想像できます。そうした点を考慮すると、3月に株価が下落したところで拾って買っておくという戦略もあるでしょう。もちろん資金管理を徹底し、精神的な負担となるような大きなリスクはとらないことが前提となります。