離婚した女性が住宅を購入しようとすると、不動産会社から、住宅ローンの返済は大丈夫なのか、収入や養育費の支払いまで、根掘り葉掘り聞かれることも多いという。そんな離婚女性ならではの住宅購入の悩みや相談に、離婚女性専門不動産会社『アベリア』代表の緑川陽子さん(45才)が回答する。
【質問】養育費の代わりに、夫にローン返済をしてもらい、このまま住み続けたい
子供が小学校に入学した矢先、夫(34才・会社員)の浮気が発覚。家庭内は冷え切った状態で、離婚を考えています。ただ、子供を転校させたくはないため、今住んでいる家を離れたくありません。夫から養育費の代わりに住宅ローン返済をしてもらい、家に住み続けることはできますか?(32才・専業主婦)
【回答】住宅ローンと養育費の相殺は高リスク!
養育費や慰謝料の代わりに住宅ローン返済を、と考える人は少なくないようです。しかし、それらはあくまで自分や子供のためのもので、住宅ローンとは別のもの。夫側の支払いが滞れば、妻が気づかないうちに競売にかけられてしまうこともあるのでお勧めしません。
ローンが残っている家で、単純に名義だけを変更するという行為は、ほとんどの場合、銀行が承諾しません。銀行に内緒で名義を勝手に変更してしまうこともできなくはありませんが、知れると契約違反で一括返済を迫られるというリスクもあります。
そもそもローンが残っている家の名義だけを変更しても、その段階では資産にはなりません。返済中の家を自分名義にしたい場合は、自身でローンを組み、名義を移すのがセオリーです。それが難しければ、今の家に固執せず、新たな場所で心機一転された方がいいでしょう。(緑川さん)
※女性セブン2019年4月11日号