1回目のデートで交際の意思を確認し合うと、2回目のデートで、良治さんは明子さんを自宅に誘う。結婚を意識していたので、生活を見せたかったのだという。そして、離婚の原因、子供のことなどを話した。
「嘘をつかない人だなと思いました。それに見栄を張らない、自慢しない、威張らない。そういったところに惹かれていきました。あと家がきれいに掃除・整頓されていたことも大きい。自分のことを自分でできる男性なら、私だけが家事に縛られることもないと思いました」(明子さん)
ふたりの交際を、子供たちも祝福してくれた。財産も個々で管理することを決めたし、お互い介護する親もおらず、目下の問題はなかった。結婚に向け、すべてが順調──しかし、たったひとつ問題があった。それは明子さんが10年飼っている愛猫ギンちゃんとの関係だ。
「ギンちゃんは人見知り。初めて彼に会わせた時も、手をかんで血だらけに。それなのに“好きなだけかみな”って…」(明子さん)
ペットがなつくかどうかは、意外にも、シニア再婚を左右する問題になる。良治さんがギンちゃんに心を開いてくれたおかげで、今ではお風呂も一緒に入るほどの仲よしに。
「家の近くに農園を借り、ふたりで野菜を育てたり…。そんな普通のことを一緒に経験し、思い出を分け合える。こんな幸せはありません」(明子さん)
結婚前よりも若返ったというふたり。末永く幸せに暮らしてほしい。
※女性セブン2019年4月11日号