また、テクニカル的にも厳しい展開となっている。28日の日経平均ローソク足はマドを空けて陰線を引き、一時75日移動平均線を下回る場面があるなど売り圧力の強さを改めて窺わせている。1月31日を直近ボトムに上昇してきた25日線が下降に転じ、5日線や75日線の下降と合わせて、短中期的な下落トレンド入りが懸念される。下は75日移動平均線がサポートし、急低下してくる5日移動平均線を回復出来るかが焦点となってくる。
例年、3月の年度末を挟んで相場が上下に乱高下するケースは多く見られる。ただ、新会計年度入りに伴う機関投資家のポジションの入れ替えによることが多いとみられるが、そうした季節的な需給の影響に寄る乱高下かを見極める展開ともなってこよう。また4月は海外投資家が買い越す特異月ともなっており、需給面での変化にも注目しておきたい。
一方、中国の劉鶴副首相率いる代表団が4月3日にワシントンを訪れる。ムニューシン財務長官等の28日から北京での通商協議に続く劉副首相の今回の訪米のタイミングが、内容によっては相場にプラスに働くことが期待される。また、1日午前11時30分とされる新元号の発表は社会一般的なムードを高揚させる効果が見込まれる。東京市場にとってはマイナスには働かないはずだ。こうしたなか、3月29日の日経平均の反発局面では直近IPO銘柄や材料が表面化した銘柄が急伸するなど物色動向はうねりを取り戻し始めていることが注目される。
今週の主な国内経済関連スケジュールは、1日に3月調査日銀短観、3月自動車販売台数、2日に3月マネタリーベース、5日に2月家計調査、2月毎月勤労統計調査、2月景気動向指数、日銀「生活意識に関するアンケート調査」の結果が、それぞれ発表予定にある。一方、米国など海外経済関連スケジュールは、1日にユーロ圏2月失業率、米2月小売売上高、米3月ISM製造業景況指数、米2月建設支出、米1月企業在庫、2日に米2月耐久財受注、3日に米3月ADP雇用統計、米3月ISM非製造業景況指数、5日に米3月雇用統計、米2月消費者信用残高、清明節で中国、香港市場は休場が予定されている。また、2月期決算のしまむら<8227>が1日、7&iHD<3382>が4日に決算発表を予定している。