3月下旬から日本株が乱高下する「ジェットコースター相場」が続いている。今後の展開も、今年10月に予定されている消費増税などの影響もあり、不透明な状況は続く見通しだ。
こうまで相場が不安定だと投資には二の足を踏んでしまう。せっかく貯めた「元本」まで失うことになったら、文字通り元も子もない。
「それでは堅実に預貯金を」と考えても、利息は雀の涙程度。そうした中で注目を集めている金融商品が登場している。
昨年7月に設定された投資信託(投信)『ゴールドマン・サックス社債/国際分散投資戦略ファンド』(プライムOneシリーズ)は、国内で初となる円建ての「元本確保型」投信。10年後の償還まで保有を続ければ、元本を割り込まないのがセールスポイントだ。
投信は、投資家(顧客)が販売会社(銀行や証券会社)を介して資金を運用会社に信託し、ファンドマネージャーが国内外の株式や債券に投資。収益が投資家に分配される仕組みだ。
リスクを取って大きなリターンを狙うタイプから、リスクを最小限に抑えたものまで、数多くの投信商品が存在するが、本来、投信には必ず元本割れのリスクが存在する。それに対して、同商品は元本確保を前面に押し出して人気を博した。楽天証券経済研究所のファンドアナリスト・篠田尚子氏が解説する。
「不透明な相場への不安が高まる中、元本確保を打ち出すことで安心感を誘い、個人投資家だけではなく、中小企業などの法人ニーズを取り込んだのが人気の理由とされています。特に個人投資家では、比較的高い年齢層に人気だったようです」