超低金利時代だが、リスクを抑えて資産を殖やす術はないものか。「元本保証」の投資先としては、「国債」と「社債」という選択肢がある。
銀行や証券会社の窓口で購入できる「個人向け国債」は1万円からという手軽さに加え、国が発行しており、事実上元本割れしない安心感から人気を集める。ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢氏が話す。
「個人向け国債は、0.05%の最低金利保証があります。この時点でメガバンクの金利を上回っています。個人向け国債は、金利タイプと期間によって『固定3年』、『固定5年』と、『変動10年』がありますが、低金利水準の現在では、今後の金利上昇局面に期待が持てるので『変動10年』が注目を集めています」
一方の社債は、企業が資金調達する際に発行するもの。株と異なり株価上昇による値上がり益や配当金は得られないが、その企業が倒産さえしなければ、設定された利子が定期的に受け取れるほか、売却時には社債の価格上昇による利益も得られる可能性もある。また、償還期限を迎えると購入金額が全額返ってくる。
最近の例では、2017年3月にソフトバンクグループが、2.03%という利率で社債を公募した。ファイナンシャルリサーチ代表の深野康彦氏がいう。
「社債の購入を検討する場合、発行元企業の健全性が注目されることが多い。ですが、そもそも、社債を発行できるだけの体力があるという時点で、その企業の破綻リスクは限りなくゼロと考えていいのではないでしょうか」
大きなリターンは狙いにくいかもしれないが、リスクを極限まで抑えた投資先として、これらを検討する価値はあるかもしれない。
※週刊ポスト2019年4月12日号