その点、都心の駅から5分以内のマンションなら値崩れしても500万円程度で済むと真山氏は強調する。
「80歳を過ぎて老人ホームへ入居しようという時にも、マンションであればリフォームすることで、さらに良い条件で売れることが期待できます。一方、戸建てをリフォームして売るとなると、大きな費用が必要になり、なかなか現実味がない」
“自宅を売って老人ホームの入居資金に”という将来を考える上で、65歳時点で「現状維持」を選ぶよりも、「住まいのダウンサイジング」を選んだほうが有利になる可能性が高いという指摘である。
「仮に、老人ホームに空きが見つからず、在宅介護を受けることになった場合を考えても、郊外より都心のほうが手厚いサービスを期待できる。人口が密集している都心のほうが、介護ヘルパーの人員やサービスが充実していると考えられるからです」
住み慣れた我が家を手放す決断をすることで、得られるものも多いのだ。
※週刊ポスト2019年4月12日号