今年10月には消費税率8%から10%への引き上げが予定されているが、一方で本当に政府が予定通り実施するかどうかは定かではない。専門家の中では再度の増税延期を予想する声も少なくない。それでは、消費増税がなかった場合、為替相場にどんな影響があるのか。FXの(外国為替証拠金取引)のカリスマ主婦トレーダーとして知られる池辺雪子さんが解説する。
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私は今後、ドル円相場の上昇を予想していますが、その理由の一つとして10月に予定されている消費税率の引き上げが挙げられます。
これは、増税した分、円の価値が実質低下するということからも説明できます。実際に過去に増税を行なった局面では1年間の間に10円単位で動いたことも多く、この材料はFXをする人にとって、頭に入れておくべき動きでしょう。
現在、政府はリーマンショック級の大きな景気後退がない限り、消費増税を行う方向で話を進めています。私自身は、政府は消費増税を断行すると見ていますが、その一方で、様々な専門家の方が「選挙への影響なども考慮して、消費増税は再度延期されるのではないか」とも分析しています。
それでは、足元の世界経済に逆風の気配が忍び寄る中、政府が消費増税を実施しなかった場合、為替相場はどうなるのでしょうか。FXトレーダーとしては、そうしたシナリオも考えておくべきでしょう。
まずはドル円のチャートをチェックしてみましょう。2018年は一度、1ドル=104.68円の安値まで下落しています(くりっく365の数値、以下同)。今年の安値は106円台で、徐々に下値が切り上がっています。
一方で、高値を見ても118円台に乗せてからは徐々に高値を切り下げています。つまり「三角もち合い」の形状が形成されてきているということです。