キャリア

「いいから黙ってやれ」 理不尽に思える上司の言葉には深い意味がある

上司も意地悪で言っているわけではない?(イメージ)

上司も意地悪で言っているわけではない?(イメージ)

 新年度が始まり、新社会人たちは希望と不安を胸に会社員生活をスタートさせているだろう。近年では「パワハラ」という単語もすっかり浸透し、「上司の命令は絶対」という時代はもはや過去のものだが、実際には「黙ってやるのが正解」というケースも少なくない。

 百貨店に勤めるYさん(40代)は新人時代、上司が言う「いいから黙ってやれ」というセリフが大嫌いだった。しかし新人を指導する立場になった今、自分がそのセリフを使っていることに気付いたという。Yさんが言う。

「我々の仕事は、とにかくお客様第一です。お客様が待っているのに、部下の『何でですか?』なんて質問に答えているヒマはありません。私は一応、『後で説明するから』と付け加えるようにしていますが、“いいから黙ってやってよ”と思うことは少なくありません」

 出版社に勤める女性・Iさん(30代)の職場にも昨年、新入社員がやってきた。何か指示を与えると、二言目には「何でですか?」「どういう意味があるんですか?」と聞いてくるので、つい「いいからやって」と言うと、むくれるばかり。しかしIさんにはIさんの仕事があり、いちいち説明していられないこともある。やむなくIさんは、「それにどんな意味があるか考えるのも君の仕事だ」と言ったところ、その“質問癖”は一応収まったという。

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