アジア最大の国際都市・シンガポール。治安がよくて教育水準も高いとの評判にくわえ、高額取得者へ税制優遇もあることから、大物投資家やIT企業経営者の移住が相次ぐなか、サラリーマンでも移住を果たした人たちがいる。
妻とともに移住したAさん(32歳)も、そのうちの一人。そんなAさんに、シンガポール移住の理想と現実を聞いた。
シンガポールには仕事の関係で頻繁に行っており、以前から魅力を感じていたAさんは、教育関連の仕事をする妻と話し合い、2年前に移住を決意。現地採用枠で日系企業への転職を決め、約1年半前にシンガポールへと移住した。
シンガポールは生活費が高いことで知られるが、Aさんによれば「体感として2倍かかっている」という。ちなみにAさん夫婦の世帯年収は約1000万円。これは転職前とほぼ同じだというが、生活費が倍になったことで苦しくはないのか。
「今住んでいるマンションの家賃は、1LDKで約20万円です。特に高いのは家賃とレストランでの外食費ですね。ただシンガポールはリーズナブルな屋台文化が発展しているので、食事はそういったところで済ませれば安上がり。地下鉄やタクシーなどの交通費は安いですし、四季がないのでシーズンものの家電や衣服にかかるお金はありません。また、日本にいれば公私含めて“飲み”にお金を使ってしまいますが、こちらにそのような文化はなく、基本的に自炊中心の生活。支出的にはトントンという感じです」