日本市場にとって「今年最大の不確定要因」と言われているのが、御代替わりをまたぐ4月末から5月にかけての10連休だ。休みの間、証券市場の取引はほぼ停止する。相場のプロたちの見解は概ねリスク回避のために「売り」だ。
ただし、プロの間で見方が分かれる部分もある。ここにきて米中の株価が上向いているため、日本株もさほど下値を懸念する必要がない展開になっていることを指摘する専門家もいるのだ。株式アナリストの植木靖男氏はこう見る。
「このところ日経平均は2万1000~2万2000円の狭いレンジで推移しており、大きな値動きのないもみ合いの展開が続いています。海外の不確定要因があるとはいえ、このもみ合い相場は6月初旬まで続くと見ています」
連休直前の株価動向に一定の注意を払う必要はあるが、この傾向が続くなら慌てる必要はない、と植木氏は読む。
「デイトレーダーのような短期売買を投資スタンスとしている人は別にして、そうでない人は連休中に保有し続けても、それほど大きな損失を被るような事態にはならないでしょう。特に配当や株主優待を主眼として保有している人は長期投資こそが妙味となるので、10連休を理由に売る必要はあまり感じられません」