日本市場にとって「今年最大の不確定要因」と言われているのが、御代替わりをまたぐ4月末から5月にかけての10連休だ。休みの間、証券市場の取引はほぼ停止する。リスク回避のための「売り」を推奨する声も多いが、一方で、“連休前に買い”とする専門家もいる。
「新天皇即位による祝賀ムードは事前予想より高まっている」というところにその“論拠”があるという。
5月1日の改元に向けて、百貨店をはじめ小売業界では改元セールが相次ぎ、かつての“ミッチー・ブーム”の時に見られたような盛り上がりを予見する声もある。こうした祝賀ムードが株価を押し上げると考えられるため、「むしろ買い増す」という意見につながるようだ。マーケットアナリストの平野憲一氏が語る。
「連休中のリスクを指摘する声が多いが、そうした不確定要因を嫌う流れができて連休前に相場が下落するようなら、逆に買いの好機ととらえることができます。連休明けの5月7日は改元後初の取引日となり、新天皇へのご祝儀相場となって上がる可能性が考えられる。加えて成長鈍化が懸念されてきた中国経済の各種統計もさほど悪くなく、今後さらなる良化も見込める。日本株にはプラス材料となります」
今月1日の新元号発表後、日経平均が一時470円以上の値上がりを見せたように、実際に改元を迎えた後の“お祝いの買い”にも大いに期待が持てるというのだ。
グローバルリンクアドバイザーズ代表の戸松信博氏も、連休前に下げ相場となることを見越して、こう話す。
「米国の大規模減税と財政投資に続き、中国でも大規模減税が実行される。これらが世界経済の牽引役となり、年末まで相場は基本的に上向きと見ています。連休前に下がるようであれば安値で仕込める買いのチャンスといえます」