「給料を減らすことでもらえるお金」もある。定年後の再雇用などで賃金が60歳時点の75%未満に低下した場合、「高年齢雇用継続基本給付金」を受け取ることができる。低下後の賃金の最大15%が65歳まで給付されるのだ。
「定年前からの減額幅が大きいほど、下がった後の給料に対する支給率が上がる仕組みで、給付金は非課税」(同前)となる。
給料を退職金に回す方法なら、最終的に会社からもらえる金額は変わらないので、給付金のぶんはまるまるプラスになるのである。木村氏が強調するのは、この受け取り方が「会社側にもメリットが大きい」というポイントだ。
「まず、社員の給料を下げることによって、社会保険料の事業者負担分を圧縮できる。さらに、中退共などに退職金を積み立てるかたちを取れば、その分を損金に計上できるので、法人税の節税につながります。『給料を退職金に回す』というのは、勤め先としても受け入れやすい提案なのです」
※週刊ポスト2019年4月19日号