また、変更後の優待を得るためには、クロス取引だけでなく、証券会社に株を貸すことで金利を得る「貸し株」も利用できなくなる。貸し株をしている間は株主と認定されない場合があるので、継続保有のチェックがいつ実施されるかわからない以上、ひたすら持ち続けるしかないのだ。
開示文書をみると、継続保有の条件を「100株以上の継続保有」としているので、現物保有が必要なのは100株のみと考えられる。500株以上あるいは1000株以上の優待を狙う場合、残りの必要株数は権利確定日だけの保有でも認められる可能性は高そうだ。
現在、クロス取引で効率よく優待を獲得する方法が流行しているが、本来の株主優待は長く保有する株主を優遇するのが目的だ。地道に保有を続けている株主にとっては、むしろ朗報かもしれない。今後この「サイゼリヤ方式」が他の優待銘柄にも拡大するかどうか、注目したい。
文■森田悦子(ファイナンシャルプランナー/ライター)