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臨時福祉給付金 高齢者にエサをばらまく選挙対策の側面も

安倍晋三首相

安倍晋三首相

甘利明前経済再生担当大臣(66才)の金銭授受疑惑、育休議員のゲス不倫騒動、松島みどり元法務大臣(59才)の大あくび&居眠り問題、「巫女のくせに」「進学しても女の子はキャバクラに行く」などの差別発言…年が明けて以来、次々と出てくる自民党議員のゆるみ。一方、安倍晋三首相(61才)自身の強引さも際立ってきた。

そんななか騒がれ始めたのが「衆参W選挙」だ。今年は3年に1度の参議院選挙の年で、投開票日は7月10日が有力といわれている。安倍首相は、衆議院を解散して、同日に衆院選も行おうと考えているらしい。

「民進党ができたことで、反安倍の大きな受け皿ができたことに間違いはありません。W選挙になれば、安倍首相の目的は、徹底的な新党潰しと、自民党の確実な勝利でしょう」(全国紙政治部記者)

それゆえ、選挙を前にしたこの春、安倍政権は国民に「アメ」を与えて支持率を上げようとしている。しかし、選挙対策も政策内容も、見過ごせないことばかりだ。

65才以上で住民税が課税されていない低所得層の高齢者に給付される「臨時福祉給付金」。6月までに1人あたり3万円が給付されるが、その総額は3300億円にのぼる。これは、国立大学または公立大学に通っているすべての学生の年間の授業料を無料にできるほどの金額だ。

なぜ、高齢者だけなのか? 安倍首相は、「高齢者は消費が活発だ」と説明するが、都内に住む30代の主婦は怒りを口にする。

「“保育園落ちた、日本死ね!!!”と話題になったブログのことを安倍さんはもう忘れてしまったのでしょうか。そんなお金があるなら、それこそ待機児童対策に回してほしい。保育園を建てたり、保育士さんのお給料を上げたり、できることはたくさんあるんじゃないですか? 言い方は悪いけれど、お年寄りばかり大事にしすぎるのはどうなんでしょうか」

若い世代や子育て世代の投票率が下がるなか、投票に行く多くは高齢者。その高齢者に“エサ”をバラマクつもりなのか。経済ジャーナリストの荻原博子さんが言う。

「どこからどう見ても選挙対策のお金です。しかも、その3300億円は、国民が納めた税金ですよ。必死に払った税金で選挙対策とはあまりに国民をバカにしています。そもそも、1度きりの3万円で消費活動や生活がどう変わるというんでしょうか」

政府はこうした批判を受けてか、3月末に若い世代の低所得者に対する“救済”として、生活必需品購入のための商品券交付を検討すると発表したが、それがどれほどの役に立つというのだろう。

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