医療費の自己負担上限や特養などに入所した場合の介護費用の負担も住民税非課税世帯のほうが軽くなる。
そこで65歳からの年金受給額が居住地の「非課税の壁」を上回る見込みの人は、繰り上げ受給であえて年金額を少なくして非課税の範囲内におさめるのが賢い選択だ。年金を早くもらうのだから、当然、受給期間は長くなり、保険料が下がって年金の手取りは逆に増えるという“一石三鳥”の得する年金受給術といえる。
年金収入がとくに多い年間300万円の人も、60歳受給を選べば30%減額されて年金額はちょうど非課税の210万円になる。将来にわたって年金から天引きされる保険料や税金を考えると、年90万円年金を減らしてでも、「非課税世帯」を選ぶという選択は検討の価値がある。
※週刊ポスト2019年4月26日号