年金も収入もフルに確保する“得する資格”は他にもある。資格に詳しいフリーライターの日向咲嗣氏は「月額16万~20万円の収入が目指せるビル・マンション関連は狙い目」と続ける。
「オフィスビルや商業施設の管理には清掃だけでなく、電気やボイラー設備の点検・整備がつきものです。70歳以降でも需要がある電験三種があればより有利ですが、合格率9.1%の難関です。まずはより取得しやすい【2】第二種電気工事士(合格率1次51.8%、2次63.4%)や【3】二級ボイラー技士(同57%)から始める方法もある」
【4】マンション管理士の資格試験は受験者の2割が60歳以上だ。法令や実務を問う試験の合格率は8%を割り込む狭き門だが、取得によって独立開業や収入アップは目指せる。
55歳以上向けの就職支援講座を開く東京しごとセンター(東京都千代田区)によれば「実際の求人で資格が条件となることはほぼありませんが、集合住宅の管理業務の仕事に就いた後に取得し、その後、条件のよい物件にステップアップする人もいる」(総務課)という。
“趣味”が武器になる
ビル・マンション管理などの仕事は都市部に多い傾向があるが、反対に地方都市でニーズが高いのが運転代行だ。ここでも「資格」の有無で収入が変わってくる。
「『伴走者』と『代行者』の2人1組で客を送迎しますが、自社の車を運転するだけで、普通自動車運転一種免許で足りる伴走者は時給900円前後。これに対しタクシーと同じ【5】自動車運転二種免許を必要とする代行者は同1000~1200円になる。しかも業務委託なら収入が増えても年金はカットされないし、定年がなくて70歳以降も働き続けられるのです」(同前)
全国で減少を続けるガソリンスタンド業界では、反比例するように“定年後の人材”の存在感が増している、と日向氏は話す。