「定年退職の際、家のローンの返済に充てようと年金を繰り上げ、65歳で元利すべてを払い終わることができた。(繰り上げた基礎年金部分は)3割も減るから生活は大丈夫かなと不安に思っていたが、意外と平気なものです。
よく行くスポーツジムは、平日会員の会費は月に1万円。これだけで併設の温泉は使い放題です。そこでなじみの男女の友人もできて、帰りに格安の居酒屋で一杯やるのも楽しい。ゴルフ好きの友人は料金が割安になる平日に出かけていると聞くし、しばしば日帰り旅行に出かける妻も、閑散期の“シニア割引”プランを利用しています。私が使うバスや地下鉄も、あと2年で70歳になるから、シルバーパスで格安になります」
平日限定、70歳以上限定といった“特典”が使えるようになることも、支出が圧縮できる一因なのだ。
働きながら年金を受け取る60代では、平日限定サービスなどをフル活用することは難しい。余計にかかるお金を「繰り上げ」で補うことは有力な選択肢なのだ。事実とデータを見るほど、年金を「早くもらうメリット」が浮かび上がってくる。
※週刊ポスト2019年4月26日号