今週の日経平均は、もみあい商状が想定される。トランプ米大統領が欧州製品に関税を課す方針を示したことが報道されて、米欧貿易摩擦の懸念が台頭した。米中貿易摩擦ほどのインパクトはまだ出ていないが、15日から2日間、ワシントンで日米の物品貿易協定(TAG)交渉が茂木敏充経済財政・再生相とライトハイザー米通商代表部(USTR)代表が出席して行われる。内容次第では相場のかく乱要因となってくる。また、17日に1-3月期GDPを始めとする中国の経済指標、18日に米国の経済指標の発表が集中することも留意点となってくる。
また、日本に先行して米国企業の決算発表が活発化する。15日にゴールドマン・サックス、16日にIBM、ネットフリックス、17日モルガン・スタンレー、18日にGEなどが発表を予定しており、その株価の反応も東京市場の物色動向に影響を与えそうだ。11日の大引け後に発表された安川電機<6506>の決算発表では、今2月期連結経常利益について前期比5.6%減益見込みが示された。12日の株価は売り物一巡後に前日終値の水準に引き戻しアク抜けを誘う動きとなったことは、今後の主力ハイテク株の参考になる。
一方、テクニカル的には過度な弱気が回避されている。日経平均は8日の年初来高値更新となる200日移動平均線までの戻りで「トリプルトップ型」の高値形成となる可能性が懸念されていたが、21400円台を走る25日移動平均線までは距離を残りしており、一方的な悲観状態には至っていない。底堅い動きを維持しつつ、上にも下にもいかない方向感のない展開が続いていたが、12日に5日移動平均線を回復してきたことから再び200日移動平均線を試す流れに入ってきた。ただし、TOPIXは12日まで5日続落で、4営業日連続して5日移動平均線を割り込んでおり、引き続き上値の重さも意識されることになりそうだ。
今週の主な国内経済関連スケジュールは、15日に日米の物品貿易協定(TAG)交渉の初協議が開催見通し(16日まで、ワシントン)、16日に3月首都圏新規マンション発売、17日に3月貿易統計、19日に3月消費者物価指数が予定されている。
一方、米国など海外経済関連スケジュールは、15日に米4月NY連銀製造業景気指数、16日に米3月鉱工業生産・設備稼働率、17日に中国3月都市部固定資産投資、中国3月鉱工業生産、中国3月小売売上高、中国1-3月期GDP、米2月貿易収支、ベージュブック、18日に米3月小売売上高、米4月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数、米3月CB景気先行総合指数、米2月企業在庫、19日に米3月住宅着工件数、米3月建設許可件数、グッドフライデー(聖金曜日)で米、英、香港、シンガポール等市場休場がそれぞれ予定されている。