トルコリラ、メキシコペソ、カナダドル、ノルウェークローネへの影響
原油価格と為替相場と密接な関係があります。例えば「トルコリラ」ですが、どのような関係性があるかというと、まず理解すべきは、トルコは原油輸入国となっていることです。よって原油価格が上昇すると、貿易支出が大きくなるため、トルコ経済にとって不利に働くことは想像しやすいかと思います。
そして次の波及を考えたときに、原油高がトルコの逆風になるということは、トルコリラが下落することに繋がります。自国通貨安となると、原油を購入するときにより多くのトルコリラが必要になるため、景気には悪影響となってしまいます。
わかりやすく日本を例にとって考えてみましょう。日本は輸出産業が多く「円安=メリット」と考えられるケースが多いです。その理由は、例えばアメリカで10ドルの売上をあげると「1ドル=100円なら1,000円」「1 ドル=150円なら1,500円」になるので、円安のほうがいいということです。トルコはこれが逆の立場の国のため「原油高=デメリット」ということになってしまいます。
ちなみにメキシコペソは、メキシコが原油採掘国なので、原油高の恩恵を受ける通貨でもあります。また、その他にもカナダドルは「オイルサンド」という砂の中に含まれている石油を採掘し、輸出しているため、原油価格に連動する傾向があります。ノルウェークローネも自国領域内に北海油田があり、北欧の有名な石油国のため連動しやすいと言われています。
このように原油価格は様々な株や通貨に影響するため、必ず私はチェックするようにしています。原油価格の値動きだけで投資を決めるものではないですが、中長期的にFXで投資をしている場合は、チェックしておいたほうがよいでしょう。
【PROFILE】池辺雪子(いけべ・ゆきこ):東京都在住の主婦。若い頃から株や商品先物投資を学び、2000年からFX投資を始め、これまでに8億円以上の利益をあげている敏腕トレーダー。2007年春、脱税の容疑で起訴、同年夏、執行猶予刑が確定。その結果、所得税、延滞税、重加算税、住民税、罰金(約5億円)を全て即金で支払う。2010年9月に執行猶予が満了。現在は自らの経験をもとに投資、納税に関するセミナー、執筆活動を行っている。トルコリラ/円、ドル/円、他通貨、日経平均株価などの値動きに関する詳細な分析を展開する「池辺雪子公式メルマガ」も発信中(http://yukikov.jp/)