「週4日、ほぼフルタイムで正社員と同じ勤務時間で働いていますが、給料は手取りで月14万円程度。東京23区の中とはいえ下町の築45年以上たつ古いアパートで、家賃5万3000円の6畳1間の部屋に住んでいます。
家賃のほかにケータイ代8000円、水道光熱費で1万円ほど。職場には手作り弁当を持っていき、1か月の食費は3万円に収まるように節約しています。あとは日用品を買ったり、たまに友人とご飯に行ったりすると、給料はまったく残りません。贅沢はしてなくて、むしろ無駄遣いを一切せず質素な生活をしているつもりですが、手取り14万円では最低限の暮らしで精いっぱいなんです」(青木さん)
日本はアメリカ、中国に次ぐ世界3位の経済大国にもかかわらず、厚労省の調査によると、日本の「相対的貧困率」は15.7%。つまり、6人に1人が貧困にあえいでいる。
貧困率とは、収入から税金や社会保険料などを引いた「可処分所得」が全国民の中央値の半分に満たない人の割合のこと。日本においては、245万円(2015年)の半分、つまり可処分所得が年間122万円未満しかない人は「相対的貧困」となる。