「平成」から「令和」へと元号が変わるのに伴って、2019年のゴールデンウイークは「10連休」となる。休みといえば、これまで日本では長時間労働是正のために、国民の祝日を増やす施策がたびたびとられてきた。その結果、1966年には年間11日だった「祝日」が、2016年には年間16日と先進国では最多となっている。
欧米では日本よりもはるかに長い夏休みなどをまとめてとる「ロングバケーション」が定着しているため意外な感じがするが、祝日の数だけでいえば日本は先進国で最も多いのが実態だ。
最新刊『働き方2.0vs4.0 不条理な会社人生から自由になれる』(PHP研究所刊)が話題の作家・橘玲氏は、次のように分析する。
「欧米で祝日があまりないのは、有給休暇が従業員の権利で、各自が好きなときに取得するのが当然とされているからです。祝日ばかりが増えると、かえって他人の予定で自分の都合が拘束されてしまって使い勝手が悪くなる。
一方、日本の会社ではいまだに有休をとると周囲から白い目で見られるため、“お上が強制的に休ませるしかない”という話になって祝日がどんどん増えていく。社員が有休を使わないのは、サービス残業と同じく、日本の会社が“滅私奉公”を示さなければ出世できないルールになっているからですね」
年功序列・終身雇用をはじめとする日本型雇用慣行が生み出す会社の風土が、祝日を増やさざるを得ない要因になっているというのだ。