投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が4月22日~4月26日のドル・円相場の見通しを解説する。
* * *
今週のドル・円はもみ合いか。引き続き世界経済の動向が注目され、米国の主要経済指標が市場予想を下回る内容だった場合、米連邦準備制度理事会(FRB)の緩和姿勢への思惑でドル売りにつながりやすい。
3月末以降、中国の経済指標の強さが目立ち、17日に発表された1-3月期国内総生産(GDP)は予想を上回った。それを受け、同国を起点とした世界的な景気腰折れを懸念した円買いは弱まりつつある。しかしながら、ドイツやユーロ圏の経済指標は予想を下回る内容のものが少なくない。ユーロ圏経済の減速は明らかであり、18日に発表されたマークイット4月製造業PMIはドイツ、ユーロ圏はともに景気判断の節目である50を下回った。欧州中央銀行(ECB)の一段の緩和姿勢への思惑が広がり、目先的に米ドルや日本円に対するリスク回避的なユーロ売りが増える可能性がある。
一方、米国の経済指標も3月小売売上高は強かったが、4月フィラデルフィア製造業景気指数は弱含むなど強弱まちまち。長期金利や株価の動向も方向感をつかみにくい。今週は米国の指標としては3月耐久財受注や1-3月期国内総生産(GDP)速報値のほか、米主要企業決算(1-3月期)も材料視されそうだ。日本の10連休入り前でポジション調整的な取引が増えるとの声が聞かれているが、米主要経済指標などが市場予想を下回った場合、ドル売りがやや強まる可能性は残されている。なお、1-3月期米GDPが市場予想を下回った場合、年内利上げの可能性は消滅し、一部で利下げ観測が浮上することも予想されるため、ドル売り材料になるとみられる。
【米・3月耐久財受注】(25日発表予定)
25日発表の米3月耐久財受注は前月比+0.5%と、前月の-1.6%を上回る見通し。輸送用機器を除く数字は同-0.1%から+0.2%に改善が見込まれる。製造業の回復が示されれば、1-3月期国内総生産(GDP)改定値の上方修正期待が高まろう。
【米・1-3月期国内総生産(GDP)速報値】(26日発表予定)
26日発表の1-3月期 GDP速報値は、前期比年率+2.2%と10-12月期の+2.2%と同程度となる見通し。ただ、成長率が1%台に減速した場合、FRBによる利下げ観測も広がり、ドル売りに要因になる。