年金の受給開始年齢は引き上げ、年金額を減らし、保険料だけはどんどん払わせる――迫り来る“令和の年金大改悪”に負けない「先回り対策」を紹介する。
すでに年金を受け取っている世代の証言に耳を傾けると、定年後、お金がかかるのは「60代」だとわかる。
「友人たちとゴルフに行ったり、頻繁に飲み会があったりしたのは60代前半あたりまで。それ以降は毎月の出費がガクッと減った」(68歳、元会社員)
実際、総務省「家計調査」(2018年度)によれば、60代前半の月間消費支出(2人以上世帯)は30万円超あるのに対し、70代後半では23万円台まで減少する。
そうした観点で、令和の年金改悪で、政府が「お金が必要な60代」から年金を奪おうとしていることがよくわかる。図は現在67歳のAさん、57歳のBさん、47歳のCさんが「60代に受け取った/受け取れる額」を比較したものだ。
特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)を60歳から受け取れたAさんと、将来的に年金受給開始年齢が引き上げられ、70歳受給開始世代になるCさんでは、実に1500万円以上の差が生じる。そんな情け容赦のない改悪にどう立ち向かえばいいのか。