買い物をする時のことを考えても、キャッシュレス決済ならば、代金やおつりの受け渡しがなくなり、レジにかける人手を減らせるであろう。たとえばQRコード決済で服を新調する場合、どれほどの効率化が進むのかシミュレーションしてみよう。
【商品を探す】
これまでは実際に雑誌などを読みながら商品を探していたが、スマホで雑誌記事を検索できるなど、手のひらのなかでさまざまな情報を入手できる。
【お金を払う】
現金払いなら小銭の支払いなどでバタバタすることもあったが、QRコード決済の場合、アプリを起動し、QRコードを提示。レジで読み取らせるだけで支払いが完了する。
【付帯サービスを受ける】
ポイントカードを忘れたりすると、サービスを受けるのが面倒だったが、クーポンやポイントカードなどもアプリ内に格納されているため、出し忘れや、利用モレがない。
【購入データを生かす】
QRコード決済の場合、最終来店時期、購入した商品など「顧客属性」が店舗側に自動的に伝わる。
このように、買い物がずいぶん省略化されるイメージだ。
現金はいずれ使えなくなる?
ところで、現金はいずれなくなってしまうのだろうか? 4月9日、財務省から新紙幣発行(2024年~)の発表があったのは、それに逆行しているようにも思えるが…。それについて、世耕弘成経産大臣はこう述べている。
「キャッシュレス政策を進めているが、それにより紙幣がなくなるわけではない。キャッシュレスが進んでいる国でも紙幣は使われている。偽造防止の観点等から適切なタイミングで紙幣を変えることは当然のことだ」
政府が言明するように、現金がなくなってしまうことはない。ただ、日本全体がキャッシュレス化に大きく舵を取り、クレジットカード決済やQRコード決済等のシステムが行き渡り、そのメリットをより多くの人が得られる方向に向かっていくのは間違いないだろう。
※女性セブン2019年5月9・16日号